キャスリン・カダバックス「母国の話」


 今日のギャラリートークは、一連のトーク担当者の中で唯一の外国人、キャスリン・カダバックスさんが担当されました。
 カダバックスさんはニューヨーク州の出身。といっても、日本人になじみ深いマンハッタン島ではなく、マンハッタン島から車で1時間ほど行った小さな村に生まれ育ったそうです。現在は、シカゴ大学で日本語や日本文化を学ぶ学科に所属されています。日本には、留学生として昨年の9月に来日、山科区のお宅にホームステイしながら、今年の5月まで滞在される予定です。
 今回のギャラリートークは「母国の話」と題されてはいましたが、話題の中心は「日本とアメリカの文化的な違い」や「日本に来て驚いたこと」でした。
 たとえばクリスマスの過し方ひとつとっても、アメリカと日本には大きな違いがあります。あるいは食べ物にしたって、納豆や生卵といった日本人には(というのが大げさならば、少なくとも僕自身には)欠かせない食べ物も、カダバックスさんからすれば奇異な食べ物としか思えないそうです(ちなみにカダバックスさんが日本の料理で一番美味しいと思えるのはお寿司だそうで、よく回転寿司に行かれているそうです)。
 外国人のまなざしを通してみると、あたりまえ/常識だと思い込んでいた日本の文化も「へんてこな」ものに思えてきて面白いです。今回のお話でいえば、温泉や銭湯。僕からすれば、見ず知らずの人と一緒にお風呂に入ることは別段不思議なことではありませんが、カダバックスさんからすれば、それは変なことだそうで、もしアメリカで似たようなことがあればみんな水着で入るだろう、と。
 確かにそうかもしれません。テレビなどで芸能人が山奥にある「秘湯」などを探り当て、寒い寒いといいながら浸かっている様は、外国人から見ると「なんでわざわざ苦労してお湯につかろうとしているのか」と思われることでしょう・・・。
 
 一方で、たとえ国籍や生まれ育った文化が違っていたとしても共通していると思われることもありました。たとえばカダバックスさんには妹がいらっしゃるそうですが、妹とはずっとケンカばかりしているそうです(もちろん、妹さんとの中が険悪というわけではなくて、よくある姉妹ゲンカを繰り返していたそうです)。
 そうであっても、キャスリンさんはやっぱりお姉さん。妹さんに「大学は決まったの?」とメールをしたりするそうです。どこの国でも姉妹関係というのは変わらないものだなぁ、とほほえましく思いました(ただし、妹さんからの返信は「Leave me alone(ほっといてよ)」というものだったそうですが・・・)。

 *明日11日は、ボランティア・スタッフの北川一恵さんによる「網走食堂」です。なにやら意味ありげなタイトルですが、一体どんな物語があるのでしょうか。午後6時半から午後8時までです。皆様どうぞお気軽にお越し下さい!